「会社の中核を担っている3人の社員が、何を言っても従ってくれない」。 ある会社経営者から受けた相談で、社長と社員のどちらかを悪者にするのではなく、 それぞれが組織に何を求めているのかを傾斜星から整理した事例です。
相談者や関係者を特定できないよう、会社名・職種・時期などの情報を省略し、会話は趣旨を変えない範囲で再構成しています。九星気学や宇宙盤は、人を評価したり重要な判断を代替したりするものではなく、状況を客観視して対話を始めるための参考情報として使用しています。
中核社員との対立に悩んでいた経営者
相談者は、ある会社を経営している方でした。事業の中核を担う3人の社員は能力も経験もあり、会社に欠かせない存在でした。 しかし、社長が決めた方針や既存のルールに反対することが多く、社長は「大事な社員ではあるが、なぜこれほど自分の言うことを聞いてくれないのか」と悩んでいました。
会社には指示系統や責任範囲が必要です。社員が会社の決定を無視してよい、という話ではありません。 ただ、詳しく話を聞くと、単なる反抗として処理する前に、社員が何に反対しているのかを整理する余地があると感じました。
そこで、人事評価や採用判断のためではなく、社長と社員がそれぞれ何を大切にしているのかを客観視する材料として、傾斜星を確認しました。
社長の傾斜星は二黒土星。中核社員3人は、偶然にも全員の傾斜星が五黄土星でした。
社長の二黒土星は、仕組みを守るための慎重さだった
二黒土星は、大地や田畑にたとえられ、足元を整え、手順を作り、物事を継続できる状態へ育てる力を持つ星です。 傾斜星として表れる場合、急な変化よりも、現実に無理なく続けられることを大切にする傾向があります。
社長にとって、ルールやマニュアルは社員を縛るためのものではありませんでした。 誰が担当しても一定の品質を保つこと、ミスや混乱を防ぐこと、会社と社員の生活を安定させること。そのために必要な土台として既存の仕組みを守っていたのです。
社員の五黄土星は、現状を変えたいという問題意識かもしれない
五黄土星には、物事の中心に立ち、自分の判断で流れを変えたいという強さがあります。 既存の仕組みが役割を終えていたり、現場に合わなくなっていたりすると、表面的に合わせ続けるよりも、問題を表に出して変化を起こそうとすることがあります。
ただし、「五黄土星だから反抗的」「組織に向かない」と判断するのは、このサイトの考え方とは異なります。 五黄土星の影響力は、抱え込みや支配へ向かえば対立を生むことがありますが、停滞した場を再生し、動きやすい状態を作る力にもなります。
社員の方々が社長を軽視している可能性だけでなく、現在の仕組みに問題を感じ、会社を変えたいと思っている可能性もあります。
すべてを受け入れる必要はありませんが、一度「何が問題で、何を変えたいのか」を聞いてみてはいかがでしょうか。
「従うか、従わないか」ではなく、問題の中身を聞く
その後、社長は3人の社員と改めて話し合いました。 これまでは「会社の方針に従うのか、従わないのか」という形で話すことが多かったそうです。 今回は、次のような問いを中心にしました。
- 現在の仕組みの何に問題を感じているのか
- お客さまにとって、どの部分を変えた方がよいと思うのか
- 今のルールを続けると、どんな問題が起きると思うのか
- 変える場合、現場でどのような利点があるのか
話を聞くと、3人には「会社をもっと良くしたい」「現場に合わなくなった仕組みを変えたい」「お客さまにとって使いやすい形にしたい」という問題意識があることが分かりました。
一方で、問題点は見えていても、どの手順で変更し、誰が担当し、どう運用するのかまでは整理できていませんでした。 これは「五黄土星だから具体策を考えられない」という意味ではありません。今回の3人は、変える必要性を強く感じていた一方で、実行可能な計画へ落とし込む段階まで進められていなかったということです。
五黄土星が問題を提起し、二黒土星が続く仕組みにする
そこで、社員の提案をそのまま採用するのでも、すぐ退けるのでもなく、役割を分けることを提案しました。
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社員側が、問題と目的を言葉にする
現在の問題点、変更したい理由、顧客や現場にどのような利点があるのかを整理します。 -
社長側が、継続できる条件を確認する
費用や人員は現実的か、他の業務への影響はないか、誰が担当し、どの手順で運用するかを確認します。 -
小さく試し、結果を見て仕組みにする
いきなり全社へ広げず、試験的に導入し、現場で使えるかを確認してからマニュアルやツールへ落とし込みます。
五黄土星の社員が、古い仕組みの問題を見つけ、変化のきっかけを作る。 二黒土星の社長が、その提案を現場で継続できる手順やルールへ落とし込む。 二つの性質を対立させるのではなく、役割として組み合わせる考え方です。
ツールとマニュアルが刷新され、社員の関わり方も変化
社長は、3人の意見をすべて採用したわけではありません。 実現が難しいものや、会社全体への影響が大きいものは、理由を説明して見送ったそうです。 一方、現場の問題を解決できる提案は試験的に取り入れました。
その結果、仕事で使っていたツールの一部が見直され、現場の実情に合わなくなっていたマニュアルも刷新されました。 社員側も、自分たちの意見が聞き流されず、検討され、実際の改善へつながったことで、会社の運営に以前より主体的に関わるようになったと伺いました。
社長からは、「反対されているとばかり思っていたが、会社を良くしたい気持ちがあったことに気づいた」「以前より社員から具体的な提案が出るようになった」という趣旨の感想をいただきました。 また、離職を心配していた社員との関係も以前より安定し、会社へ参加しているという感覚が高まったように思う、と話していました。
実際に変化を生んだのは、社長が反対の理由を聞いたこと、社員が問題意識を言葉にしたこと、採用しない提案にも理由を説明したこと、社員を改善活動へ参加させたこと、変化を続けられる仕組みにしたことだと考えられます。 九星気学を採用、評価、配置、解雇など、人の重要な機会を左右する判断に使うことは勧めていません。
この相談で、九星気学が果たした役割
社長には「会社を安定させ、続けられる仕組みを守りたい」という理由があり、社員には「現在の問題を放置せず、自分たちで流れを変えたい」という理由がありました。
行動だけを見れば、社長には「言うことを聞かない社員」、社員には「現場の意見を聞かない社長」と映っていたかもしれません。 傾斜星を確認したことで、どちらかを悪者にするのではなく、大切にしているものと、安心できる組織の形が違うと考え直すきっかけになりました。
この事例で九星気学は、人事評価や社員の分類ではなく、対立している双方の考え方を少し離れた場所から見直し、話し合いを始めるための補助線として使われました。